Aminosäureがsichになるまでの間に考えたこと

本などをきっかけに考えたこと。

TVピープル

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短編集。
三つ目の「我らの時代のフォークロア」は暗い話だった。
信条に縛られることは生きにくさをもたらすのだろうか。
何が滑稽で何が真っ当かなんて決められない。
二人がより幸せになれなかったのは彼女が頑なに変な価値観を曲げなかったからではなくて、二人の価値観に齟齬があったからだ。
一方的に彼女がもっと柔軟になれれば良かったというのではなくて、彼か彼女のどちらかが、あるいは両方が少しずつ柔軟に価値観をもてればよかった。
そんなふうに、もう少し幸せになるために、多様な価値観の可能性を示してくれるのが小説をはじめとした物語の役割のひとつなのだろう。