Aminosäureがsichになるまでの間に考えたこと

本などをきっかけに考えたこと。

猫を抱いて象と泳ぐ

猫を抱いて象と泳ぐ

猫を抱いて象と泳ぐ

チェス小説。
小川洋子さんはこれだけ勉強しておいてなぜチェスを指さずにいられるのか不思議。
読んでるとチェスってすごく面白い気がしてきてフラッシュチェス盤に向かうのだが、実際自分がやるとへぼすぎて頭がパンクしそうになる。
素敵な絵を見て自分もと思い、キャンバスに向かってみたら幻滅するみたいに。
美しさなんかには程遠い。

退屈に立ち向かおうとして、あの本この本、チェスにお絵かき帳に手を伸ばしては放り出す。
何も楽しいことを見つけられないまま貴重な休日が終わってゆく。

終盤の、マンション・エチュードでのお年寄りたちとのチェスの場面が大好きだ。
彼らの対極が魅力的なのは、真剣に楽しんでいるから。

大切なのは「楽しい」ということだと自分に言い聞かせる。
たとえ常識から見たら価値のないことでも、同じところを回っているだけでも。
そう気づいたはずなのに、まだ無意識に(主に金銭的な)生産性を重要とする考えを捨てきれないでいる。

もし何も楽しいと思えないなら、どうやって過ごせば一番自分を落ちつかせることが出来るのだろうか?
仕事、勉強。
それらで休日を埋めれば満足だろうか。
否。余計にもったいないと感じるからそうしないのだ。
楽しいと思いたい。もっと楽しいと思いたい。
でもなぜか頭がふらふらしてバイオリンに手を伸ばすことが出来ない日も多いのだ。