Aminosäureがsichになるまでの間に考えたこと

本などをきっかけに考えたこと。

神様のパズル

神様のパズル (ハルキ文庫)

神様のパズル (ハルキ文庫)

物理学科に行きそびれた人などにおすすめです。
大学生活に対する憧れも妬ましさも吹き飛ぶ面白さ。
予想以上の怒涛のクライマックスに、テンションも空回って仕事もはかどります。

その辺の盛り上がりの分、ラストが消化不良な感も。
ハッピーエンド過ぎて。

自分は何者なのかのという疑問の答えを、物理に求めるお話。
すごく面白かった。
でもその疑問を考えるのに、物理を離れた途端、分かったみたいになったり、円満ラストが訪れたりするのは、それでいいのか?とも思った。
物理に関係なく、ヒロインを苦しめるものはなくならないはずなんだし。

物理学的生物学的起源は自分を説明する一つの側面でしかない。
それと同様に、周りとの関係性や生活だって、一つの側面でしかないのではないか。
物語の中でのヒロインの経験は確かに彼女を変えるだろうが、ちょっと変わりすぎて、どこへ行ってしまうの、ってかんじも。

生きていく中で、もちろんこれからも嫌なことはある。
でもきっとこの経験は、今までと少し違う形でそれらを捉えさせてくれる。

自分は何者なのか。
それが苦しい疑問じゃなくて、わくわくするような疑問でありますように。