神様のパズル
- 作者: 機本伸司
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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大学生活に対する憧れも妬ましさも吹き飛ぶ面白さ。
予想以上の怒涛のクライマックスに、テンションも空回って仕事もはかどります。
その辺の盛り上がりの分、ラストが消化不良な感も。
ハッピーエンド過ぎて。
自分は何者なのかのという疑問の答えを、物理に求めるお話。
すごく面白かった。
でもその疑問を考えるのに、物理を離れた途端、分かったみたいになったり、円満ラストが訪れたりするのは、それでいいのか?とも思った。
物理に関係なく、ヒロインを苦しめるものはなくならないはずなんだし。
物理学的生物学的起源は自分を説明する一つの側面でしかない。
それと同様に、周りとの関係性や生活だって、一つの側面でしかないのではないか。
物語の中でのヒロインの経験は確かに彼女を変えるだろうが、ちょっと変わりすぎて、どこへ行ってしまうの、ってかんじも。
生きていく中で、もちろんこれからも嫌なことはある。
でもきっとこの経験は、今までと少し違う形でそれらを捉えさせてくれる。
自分は何者なのか。
それが苦しい疑問じゃなくて、わくわくするような疑問でありますように。