Aminosäureがsichになるまでの間に考えたこと

本などをきっかけに考えたこと。

茶の味

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※ネタばれありですよー。


こういうの大好きなんだけど!


自然なのか不自然なのか。
はじめくんとさっちゃんの演技すばらしいよね。カメラないみたい。
メイクとかも、現場来てそのまま撮影入ってるんですかみたいな。
実際ははじめくん役の人とか素のとき見たら全然あのキャラじゃないけど。


連作短編みたいに各人のエピソードがあって、各人の関係っていうのは「家族」で。
家族と過ごすっていうのは生活で、だからリアル。
私の好みとしては作品の中で「家族」は、つながり方であってほしかったな。そのものを描くというより。
そうすれば「家族」は物語(=お話として語れるような表舞台)をつなぐ道具になる。
※過去記事参照ほかに踊りを知らない。 - Aminosäureがsichになるまでの間に考えたこと
「家族」は関係性であり、「生活」は物語と物語の隙間。


田舎、CG、愉快なかんじ。どうしても中島哲也監督思い出すんだが。
下妻物語」も「嫌われ松子の一生」も大好き。
パコと魔法の絵本」はまだ見てない。見たい。
どちらの監督もCM出身だし、共通項もいろいろあるのかな?


で、本作。
とっても自然なんだけど、とっても変だよね。
(変な作品大好きなんだよ…(´ω`*))
その非現実がね、非現実だからこそ現実の気分を表せるところがあると思うわけよ。
「神様」をはじめとする川上弘美さんの小説然り。


そんなかんじ。
あと細かいこと。たくさんあって書ききれないけど。

・じいさん最初この異質さは何の意図なんだ、といぶかったけど、最後まで見てこのキャラクターじゃないとだめだって思ったね。
「山よ」とか風呂の湯に呼びかける歌とか最高。センス良過ぎ。
死ぬときの描写もとても良かった。さくさく進めるの。
森山開次さんの踊りはやっぱりきれいだな。この人はNHKの「からだであそぼ」で踊ってたんで知ってたんだけどね。見とれてしまう。
・お父さんも影薄いように見えて、ちゃんと立ててあるし、息子とのシーンとかとてもよい。
・ヒーロー好きの二人が泥忍者を助けて、ほんとに人に感謝されるとこも良いよね。
あいつらちびっこ(さっちゃん)にやさしいし。
・大きいさっちゃん(ってか大きい自分)怖いわw 刺青幽霊よりずっと怖いって。


難点言うとしたら。
最後の皆が夕日見るシーンは長いし、やりすぎかな。
じいさんの生きてきたイメージが宇宙規模になったあと、さっちゃんが笑って去っていくだけで十分と思う。
あと、アオイちゃんが囲碁好きってわかってはじめくんが自転車で家まで帰る描写長くて退屈する。
長い時間がたったことを、実際時間をかけることによって表現するのはどうかと。(ごめん。私の文章も長くて退屈だ。)
それに比べて最初のほうの、アヤノおじさんがはじめくんに野ぐそデビューについて話してるとこは全然長く感じなかった。
ほんとに、観せるための脚本かってくらい「○○でさぁ…」「うん」「そんで○○でさぁ」「…うん」って続くんだけど、それがなんとも言えず良いの。


小学校の教頭とかもいいわ。スッタニパータw 伊達じゃないね。
三角定規とか、思い出すだけで楽しくなるわ。
素敵過ぎる小ネタたちが作品の雰囲気を作ってもいるんだろうけど。
(ちなみに面白いのは好きだけど(笑えるという意味でもエンタメ的な意味でも)、それだけっていうのは読んだり見たりしようと思わない。私は。
切実な思いとか、なにかしら言葉にできない気分とかからできている作品じゃなくちゃ。
作品そのものが「面白い」だけだとね。)


完成度高い。良かったですよ。