Aminosäureがsichになるまでの間に考えたこと

本などをきっかけに考えたこと。

NOVA4

どれも面白かった。
特に気になったのを挙げる。


京極夏彦「最后の祖父」
大衆受けするものを書く人ってイメージを勝手に持ってて読んでなかったけど、こんなSF書くのか。
映像にできそうな。
おじいさんのとりとめもない(ようで重要な)モノローグも良い。


最果タヒ「宇宙以前」
途中で怖くなってしまった。
わざと壊したような文体が、最初は面白かったんだけど。
詩みたいだと思ったら詩を書く人なのね。
後半は結構ふつうの話なんだけど、前半の文体と場面のつなぎが、なんかすごい威力持ってる。


山田正紀「バットランド」
量子のもつれとコウモリと、壊れた脳の英雄譚。
認知症の脳と宇宙を繋いでるとこが好み。
脳が壊れてくのって、悲しいとか通り越してすごいことだと思うんだ。
それが描かれてるみたいでうれしい。
っていうか主人公がかっこいい。認知症だけど!
トマス・ネーゲルの「コウモリであるとはどのようなことか」を引いて始まるところからして良い。
永井均さん訳の哲学書。(永井均さんすき。)
音楽の描写もとても良い。
曲の描写読んでから実際の曲を聴いたら何倍も楽しめると思う。
ノンフレットエレキベースとかもモチーフとして素敵すぎ。


コウモリであるとはどのようなことか

コウモリであるとはどのようなことか



あと、竹本健治さんが書いてるのがうれしかった。
この人の「フォア・フォーズの素数」好きなの。