Aminosäureがsichになるまでの間に考えたこと

本などをきっかけに考えたこと。

鼓笛隊の襲来 三崎亜記

鼓笛隊の襲来

鼓笛隊の襲来

三崎亜記は長編の「となり町戦争」「失われた町」も面白いけど、短編がすごく面白いと思う。
前回の短編集「バスジャック」を読んだとき、これは来た、と思った。
ちょっと「世にも奇妙な物語」っぽい雰囲気。
でも、この人、寓意を含んだすてきな話を書くんだけど、その寓意を話の中で具体的に言っちゃう。
わかりやすくていいんだけども。
その傾向が本作ではけっこう顕著だったような…
「バスジャック」は本作よりも遊び心が多く含まれているかんじだろうか。
3個目の『覆面社員』に「バスジャック」がちょっと顔をのぞかせていたり。
6個目の『「欠陥」住宅』は、考えさせられる。8個目『校庭』も似たテーマかな。
私とあなたや、今の私と過去の私は、同じ方向を向いていても同じものを見ているかどうかはわからない…